最近発行されたナショナルジオグラフィックス誌でEnric Sala氏が、過剰な鉄成分により、自然界の珊瑚礁が真っ黒な苔、藻などに覆われて破壊される事を紹介しています。今回の現象が確認された場所は、太平洋のKingman Reefというところです。
調査によると難破船などから徐々に溶け出した鉄分がどうやら藻、苔などの繁茂を導き、それにより珊瑚礁が覆われてしまったようです。最近発刊されたThe ISME Journalにも、「難破船の近辺の珊瑚礁は、底生の苔、藻、シアノバクテリア、corallimorphsに覆われていたり、微小な粒や海水が曇っていたりする。また、これらの海には珊瑚も少なく、石灰藻も少ない。黒の珊瑚礁と呼ぶ理由は、海底が藻、苔などにより黒く見え、海水の透明度も低いからです。」と書かれています。
San Diego State大学(SDSU)のLinda Wegley氏(この記事を指揮した一人)は、「黒の珊瑚礁は、例え小さな有害物質(この記事の場合、鉄分)でも、清浄な珊瑚礁の大部分を破壊しえる」と言っています。
自然界でこれだけの影響が在るのですから、私達がもっている水槽なら尚且つ大きな影響があるでしょう。アクアフォーラムなどで苔や藻の対処法などがアドバイスされていますが、鉄分に関してアドバイスした人はあまりいないのではないでしょうか。
淡水、海水に限らず、水中の鉄分濃度を測定することは難しいです。しかしながら、水道水なども大きな鉄分の補給源かもしれません。こういった場合、RO/DI水を使うなどで過剰な鉄分添加を防げるかもしれませんね。
[via National Geographic]