藻類って自然界でも水槽でも珊瑚を覆ってだめにするので嫌われ者ですよね。自然界では、藻食魚が藻類を積極的に食べてくれるために、その量が低く抑えられています。それによって、珊瑚の卵などが無事に岩などに付着して育っていくわけです。
何人かの科学者は、カリブ海にある被害を受けた珊瑚礁を調査し、珊瑚が死滅した後すぐに藻類が繁茂して珊瑚礁の回復を遅らせていることを発見しました。しかしながら、フランス領ポリネシアのモーレア島では、非常に早く珊瑚礁が回復していることを見つけました。
カリフォルニア大学サンタバーバラ校のTom Adam氏曰く、「モーレア島の珊瑚礁は、他の珊瑚礁と違う現象が見られる。」と言っています。「特に私たちが知りたいのは、どのようなエコロジカルな要因が珊瑚礁の回復に関係しているのかです。」
モーレア島における長期珊瑚礁研究 (MCR LTER)は、珊瑚礁に生息する藻食生物の数が、珊瑚が死滅した後劇的増えることを発見しました。また、 MCR LTERリサーチに関わっているAndrew氏にによると、これらの藻食生物が大きく、太っているだけでなく、パロットフィッシュやサージョンフィッシュなども沢山観察できたとの事です。
オニヒトデによる珊瑚礁の被害は皆の知るところですが、リサーチチームによるとモーレア島ではこのオニヒトデによる影響を確認できなかったそうです。また、オニヒトデは、バリアリーフに大きな影響を与えましたが、モーレア島においては、台風やオニヒトデによる影響は、非常に小さいそうです。
Brroks氏曰く、藻類が繁茂するということは餌が豊富にあるため幼魚の生存率もあがり、個体数が増えて結局は珊瑚礁を守ることになるといっています。
では、なぜカリブ海の珊瑚礁では同じことが起こらないのでしょうか?研究者曰く、魚の乱獲などによりパロットフィッシュやサージョンフィッシュのような藻食魚の個体数が減り、珊瑚礁の藻類がコントロールできなくなっている可能性があるとのことです。
[via Futurity]