Photo by Yusuke Okada/a.collectionRF / amana images
日本近海でしか見つからない深海珊瑚の「宝石サンゴ」と呼ばれるサンゴを密猟していた疑いで中国籍の漁船船長が12月30日に鹿児島県海上保安部に逮捕されたという記事がありました。少し調べてみると、この宝石サンゴ(Paracorallium japonicumが有名)は中国、台湾では質によっては金より高く取引されることもあるようで、60センチクラスになれば、一億円で買い求める富裕層もいるとか。深海に生息し、一センチの成長に数十年かかるともいわれ、まるで樹木のように成長するサンゴです。光沢をもち硬質で、宝石のようにネックレスなど宝飾品として加工されるほか、大きく完全な扇形のものは観賞用にもされます。国際取引に関して特に規制はなく、漁自体は自治体の許可に基づくのみです。そのレア度、採取の困難性、低成長度などから値段が跳ね上がるようです。
これらの背景とともに、もし日本の海上保安庁などに捕まっても小額の罰金で済んでしまうようで、一攫千金の博打に出る価値は十分にあると容易に考えられてしまうようです。
こういったレア度の高いサンゴこそ養殖が急務であると同時に、罰則を強めるなど当局による対策も必要でしょう。ただ一番効果的だと個人的に考えるのは、違法採取されるものを購入しないことだと思います。ショップもいくら売れるからといって無法地帯のように販売するのはどうかと考えます。日本は特に世界まれに見る珊瑚礁をもつ先進国です。世界のアクア業界をリードする、くらいの気負いがあってよいと思います。